<一問一答>
エアガンの安全利用の基礎知識
Q.1「法規制がされている点は?」
A-1
2006年(平成18年8月)の「エアガン規制(所謂、改正銃刀法)」は “弾の威力を制限した法律” であり、構造や材質に関してはトイガンの業界団体の自主規制によって守られています。
Q.2「弾の威力を制限した法律とは?」
A-2
(準空気銃の所持の禁止)
「何人も準空気銃を所持してはならない」と銃刀法(2006年/平成18年8月)で規制されました。
準空気銃とは、
「圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃であって、空気銃に該当しない物の内、測定した弾丸の運動エネルギーが、人を傷害し得るものとして内閣府令で定める値以上となるもの」と定義されています。
Q.3「準空気銃とは何ですか?」
A-3
圧縮した気体を使用して弾丸を発射できる銃で、人を傷害し得る物をいいます。
Q.4「エアガンとして、法定威力超過となる運動エネルギー値(J)とはどの程度ですか?」
A-4
準空気銃となるエアガンの運動エネルギー値は6mmBB弾で3.5J/平方cm(0.989J相当)以上です。
室内の温度が20℃~35℃に於いて「6mmBB弾を使用した銃では弾の威力は0.989J以上のもの」「8mmBB弾を使用した銃では、弾の威力は1.649J以上のもの」が準空気銃に該当し、規制の対象となります。十分に注意をしてください。
Q.5「準空気銃に該当しないエアガンの弾丸の運動エネルギーの値(J)の数値は?」
A-5
6mmBB弾を使用した銃では弾の威力は0.989J以下、8mmBB弾を使用した銃では弾の威力は1.64J以下です。この数値は、人にほとんど傷害を与えない弾の威力で法律で規制されません。これらは、私たちが「エアガン」として普段より親しんでいる物で所持が認められています。
Q.6「運動エネルギーの値(J)を計算するには?」
A-6
エネルギーE(ジュール/J)=
BB弾の重さ(g) × 弾速[m/s]×弾速[m/s]÷2000
<計算例> 0.2gのBB弾で初速98m/sの場合
0.2g× 98m/s × 98m/s÷2000=0.9604J (法定内威力上限0.989J)
2006年(平成18年)8月施行の改正銃刀法により、全てのエアガンはBB弾の発射時の「威力」について上限が定められました。
当協会STGAでは第三者試験検査機関に於いて「弾速測定検査」を行い、検査に合格した物にはその証として銃本体に安全マーク「STGA」を刻印し、製品箱には「新銃刀法適合品」の証紙が貼付されており、18歳以上の方が安全に購入と所持ができる証となっています。
Q.7「違反するとどうなりますか?」
A-7
銃刀法に違反してモデルガン、エアガンを所持した場合は「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」が科せられます。十分に注意してください。
Q.8「エアガンに使用可能なパワーソースは?」
A-8
エア(エアコッキング式)、HFC134aガス、HFC152aガス、バッテリー、小型炭酸ガス(CO2)ボンベ等がありますが、これら以外でも無害な物や引火・爆発性のない一般市販品であれば、エアガンのパワーソースとして規制されていません。
Q.9「パワーソースのフロンガスは将来的にどうなるのでしょうか?」
A-9
現在、日本ではフロンガスの新規製造は禁止されていますので、将来的には無くなる見通しです。
Q.10「フロンガスに代わる代替ガスがあるそうですが、どんなガスですか?」
A-10
比較的、環境への負荷が少ない種類のフロンガスを混合させて代替品としていますが、その混合成分同士の比重が異なるために使い始めと終わりとでパワーの差が大きくなるのが欠点です。また、この混合ガスも将来的には廃止される可能性が高いです。
Q.11「他のスプレーに使用している混合プロパンガスはガスガンに使えないのか?」
A-11
「プロパンガスは可燃性のため、火気のある所では使わないように!」という注意書きが付いているように、室内などの閉鎖空間においてプロパン系の混合ガスをガスガン使うことはとても危険です。
Q.12「ガスガンにCO2ガスを使う事は法律違反だと聞きました。本当ですか?」
A-12
CO2ガスは、日本では一般的に飲食用・雑貨用として市販されており毒性や引火性のないガスで、エアガンにおいても法律で定められたパワーを超えない使い方であれば法律違反にはなりませんが、フロンガスにくらべて非常に高圧であるため、エアガンへの利用に当たっては法定威力超過などに繋がらないように十分な注意が必要です。
Q.13「フロンガス用のリキッドチャージマガジンにCO2ボンベのガスを注入するアダプターが売っていますが、
この部品を使っても問題は無いのでしようか?」
A-13
フロンガスでパワー設定したリキッドチャージマガジンに高圧のCO2ガスを注入すると数倍の高圧となるため、とんでもないパワーとなってしまいます。そのため、このガスガンは法定威力の上限を超えた違法な真正空気銃となり銃刀法違反で検挙されますので、絶対に使用しないこと。
(※ フロンガスでパワー設定されたガスガンにCO2ボンベ内蔵式のマガジンを転用することもこれと同等のリスクがあります)
さらに、CO2ガスはフロンガスの数倍と圧力が高いため、使用環境や製品強度によってはダイキャスト製のマガジンが爆発して大けがをする危険性がとても高くなります。また、このような注入部品を作ったり売ったりする者も、銃刀法違反に問われる場合があります。くれぐれも注意してください。
Q.14「CO2ガスガンは、どうすれば安全に扱えますか?」
A-14
毎年、経済産業省から当協会STGAを含む業界団体には「CO2ガスは基本圧が高いため、くれぐれもその取り扱いには注意をすると共に容易な加工等によって法定パワーを超えた違法銃とならないようにすること」との指導要請と注意喚起が書面によって数年間にわたり繰り返し届いています。
これは同時に「法律を厳守して安全に使う事を条件にCO2ガスの使用は認められてる」という事も意味しています。
これらのことを背景して、当協会STGAでは高圧であるCO2をパワーソースとしたエアガンについて、その製品の威力に関する部位を改造できないように「銃本体やマガジン等の法定威力設定部品は破壊しないと交換できない状態で取り付けられていること」、且つ、「メインSP(ハンマーSP)も容易に交換できない状態で取り付けられている」などの改造防止策を独自に定めて、これらを製品に施して製造することを所属する製造会員に義務化しています。検査に合格した製品の製品箱には証紙が貼付してあり、「STGA認定のCO2小型カートリッジボンベ内蔵式ガス銃」として安心して楽しめます。
Q.15「薬きょう使用式エアガンは所持できますか?」
A-15
薬きょうが肉薄の金属パイプ形状であってBB弾をパイプの先端に保持するだけの中空薬きょう仕様のエアガンは、業界団体が自主規制を始めてから既に40年の歴史があり、社会的にも認知されています。
現在でも、回転弾倉型、自動けん銃型、小銃型、機関銃型、猟銃型などの形状のスプリング・コッキング式、ガス式、ガス・フイクスド式、ガス・ブローバック式、電動式などで、この「中空薬きょう」を使用したエアガンが販売されていますので何ら問題ありません。安心して所持できます。
しかし、カートリッジ内にガスが直接に注入でき、カートリッジの先端にBB弾を保持できる「蓄圧式薬きょう」を使用したエアガンは、何ら手を加えなくても銃砲と認定され処罰の対象となるので、十分に注意する必要があります。
Q.16「パワーアップ改造とは何ですか?」
A-16
「強い圧力のガスで威力を高めようとすること」
「規定以上のガスを送り込むバルブに交換する又は強力なスプリングに交換する」
などの改造は、パワーアップ改造と呼ばれ、法定威力を超える可能性が大変高くなります。威力超過は、銃刀法違反で処罰されますので絶対にしないで下さい。
Q.17「ドレスアップとは何ですか?」
A-17
セフティやハンマー等を好みのデザインに交換する、プラスチック製グリップを木製や好みのデザインに交換する、等のことをドレスアップ又はグレートアップと言います。法定威力超過に繋がる危険なパワーアップ改造とは全くの別物です。
Q.18「業界団体が自主規制している構造等の規定とは?」
A-18
銃砲に改造することが困難な物として、トイガン業界では銃刀法施行規則を基にした自主安全基準を制定し、外観銃身(アウターバレル)、銃本体(長銃型を除く)、回転弾倉、遊底(スライド)、尾(レシーバー)に相当する部分をプラスチックで作り、銃のタイプに応じてそれぞれの重要な箇所に改造防止の措置を施しています。
尚、高比重樹脂(所謂、へビィウェイト樹脂)で作る場合、外観銃身(アウターバレル)、銃本体、回転弾倉、遊底(スライド)、尾筒(レシーバー)は磁石に吸着してはならない、と規定しています。
※ 重要注意事項 ➡「模造けん銃の規定においてモデルガンとエアガンの区別はされない」
昨今、総金属製のけん銃型エアガンが「模造けん銃」として摘発され関係者が逮捕されています。銃刀法は金属製モデルガンを規定していますが、模造けん銃の規定の中にモデルガン、エアガンの区別はありません。
「(材質の問題は)エアガンは関係ない」や「それなら白色又は黄色にすれば良い」と言う人々がいるようですが、この理解は間違っています。模造けん銃の規定に沿って金属製エアガンを適法品にする為には、白色又は黄色に塗装する他に「銃腔を金属で完全に閉塞する」ことが必要となりますが、銃腔を塞さいだエアガンはもはやエアガンではありませんね。つまり、総金属製エアガンは全て模造けん銃です。十分に注意して下さい。
Q.19「有害玩具に指定されるエアガンとは?」
A-19
青少年の健全な育成を阻害する恐れがあるものとして、各自治体(都道府県)は青少年健全育成条例によってエアガンを有害玩具に指定して購入できる年齢を制限しています。
Q.20「都道府県の条例で定める規制の内容とは?」
A-20
18歳未満の者が購入・所持ができるエアガンは、青少年健全育成条例で定められた弾の威力に制限が課せられています。
Q.21「条例で定められた18歳未満が購入・所持可能なエアガンの威力は?」
A-21
都道府県によって若干数値が異なりますが、全ての都道府県の条例に適合するエアガンの発射エネルギー値は、6mmBB弾の場合、0.135J(ジュール)以下です。
18歳未満の者に対して販売等の違反があった場合は20万円~30万円の罰金が科せられます(都道府県により異なります)
Q.22「18歳未満の者が所持できるエアガンとは?」
A-22
6mmBB弾を使用する銃では、弾の威力は0.135J(ジュール)以下の物が所持できます。このようなエアガンは、都道府県の青少年健全育成条例で定める弾の威力値であることを「第三者試験検査機関」で弾速測検査を行い、検査に合格した物にはその証として銃本体に安全マーク(当協会ではSTGA)を刻印し、製品パッケージには「全国青少年健全育成条例適合品」の証紙が貼付してあり、18歳未満の方が安全に購入・所持ができる目印となっています。